- 開発中のEAで「含み益が利確までの半分に届いたら、半分だけ先に決済、残りは今までどおり」を0.02ロット・資金20万円で2年分検証した。PFは0.917 → 1.014に上がり、半分利確なしで起きた資金切れも避けられた
- ただ、資金10万円で使う0.01ロットは半分にできない。代わりに「新しいポジションの2本に1本だけ、利確までの半分で全部決済」にすると、PFは0.991で、今まで(1.003)に届かなかった
- 2本に1本の選び方を変えただけで、同じ2年が「残高の最低16,179円で生き残る」と「残高954円まで減る」に分かれた。資金ぎりぎりの期間の結果は、小さな違いで大きく変わる
自分で作っているEAで、利確まで届いて終わる取引が5%ほどしかないことが気になっていました。前回は利確を損切りと同じ幅まで近づける方法を試しましたが、勝ちが小さくなりすぎて資金が尽きました。
そこで今回は、よく使われる「半分だけ先に利確して、残りは伸ばす」形を試しました。ところが、すぐに壁にぶつかりました。このEAは資金10万円・0.01ロットで動かしていて、0.01ロットはこれ以上半分にできないのです。
まず0.02ロット・資金20万円で試した
半分に分けるには、最低でも0.02ロットが必要です。ただ、資金10万円のまま0.02ロットにすると、1回の損失が今の2倍になります。今の設定(0.01ロット)でも、この2年間の残高の最低は8,789円でした。ロットが2倍なら途中で資金が尽きることは、試す前から分かっていました。
そこで、資金も2倍の20万円にして、資金あたりのリスクを今と同じにそろえました。
- 変えたこと:含み益が利確までの距離の25%または50%に届いたら、ポジションの半分を決済する(1ポジション1回だけ)。残り半分は今までどおりのトレール・利確・損切り
- 期間:2023年10月30日〜2025年10月30日の2年間(設定を選ぶための期間)
- 条件:0.02ロット・資金20万円、手数料とスワップ込み
- 決めておいた選び方:資金が尽きず、PFが半分利確なし以上のうち、PFが高いほう。選んだものだけ直近1年で1回だけ確かめる
| 設定 | PF | 2年の損益 | 最大ドローダウン | 残高の最低 |
|---|---|---|---|---|
| 半分利確なし | 0.917 | −199,819円 | 100% | 2025年4月17日に資金が尽きる |
| 利確までの25%で半分 | 0.978 | −70,299円 | 90% | 24,612円 |
| 利確までの50%で半分 | 1.014 | +50,352円 | 84% | 36,813円 |
※自作EAのバックテスト(2023/10/30〜2025/10/30、0.02ロット・資金20万円・手数料とスワップ込み)の結果です。PFは決済ごとの集計で、半分の決済も1回と数えています。過去の成績は将来の成果を保証しません。
決めておいた選び方どおり、「利確までの50%で半分」を選びました。直近1年(2025年10月30日〜2026年10月30日)で1回だけ確かめると、PF 1.275、損益+1,100,527円(資金10万円あたりに直すと約+55万円)、最大ドローダウン29%でした。今の設定(0.01ロット・10万円)はPF 1.283、+569,892円、29%で、成績はほぼ同じです。
正直に言うと、ここで一つ引っかかった
「半分利確なし」は、ロットと資金が2倍なだけで、今の0.01ロット・10万円と同じ取引になるはずでした。ところが実際には、今の設定(PF 1.003、+5,558円)と違い、2025年4月に資金が尽きています。
調べると、2024年3月から取引がずれていました。このEAには「残高が最高値から20%減ったら一部のロジックを止める」安全装置があり、損益の端数のわずかな違いで、その止まるタイミングが変わったためだと見ています。この期間はそれくらいの違いで結果が大きく変わる、ということが、あとで効いてきます。
10万円・0.01ロットでの代わりの方法
0.02ロットの形は悪くありませんでしたが、資金20万円が前提です。10万円のままで同じ形にできないかを考えました。
思いついたのは、新しいポジションを2本に1本だけ「利確までの50%に届いたら全部決済」にする方法です。2本を1組で見ると、0.02ロットで半分を先に決済するのとほぼ同じ形になります。ロットは0.01のままなので、リスクも今と変わりません。試す値は、0.02ロットで選んだ50%の1通りだけにしました。
| 設定(0.01ロット・資金10万円) | PF | 2年の損益 | 最大ドローダウン | 残高の最低 |
|---|---|---|---|---|
| 今まで | 1.003 | +5,558円 | 93% | 8,789円 |
| 2本に1本だけ早めに利確 | 0.991 | −15,907円 | 86% | 16,179円 |
※自作EAのバックテスト(2023/10/30〜2025/10/30、0.01ロット・資金10万円・手数料とスワップ込み)の結果です。過去の成績は将来の成果を保証しません。
資金は尽きず、残高の最低も今までより高くなりましたが、PFは0.991で今まで(1.003)に届きませんでした。決めておいた選び方を満たさないので使わないことにし、直近1年での確認もしていません。0.02ロットで半分ずつ決済する形とは、ポジションを持てる数の上限や安全装置の効き方が変わるため、同じ結果にはなりませんでした。
さらに、「2本に1本」をどのポジションにするかの決め方を、数えた順番から注文番号で決める形に変えて同じ2年を試すと、PF 0.929で、2025年8月14日に残高が954円まで減りました。選ぶポジションが変わっただけで、「生き残る」と「ほぼ資金切れ」に分かれたことになります。生き残ったほうも、たまたまの面が大きいと考えています。
ロットを分けて利確したいときに見ておきたいこと
- ロットを増やすなら、資金も同じ比率で増やして比べる0.01ロットを0.02ロットにするだけでは、1回の損失が2倍になり、別のEAを比べているのと同じです。ロットとリスクの関係で書いたとおり、資金あたりのリスクをそろえてから比べます。
- 「似た形」は「同じ形」ではない2本に1本だけ早めに利確する方法は、組で見れば半分利確に近くても、ポジションの重なり方や安全装置の効き方が変わります。代わりの方法は、元の形とは別のものとして検証し直します。
- 資金ぎりぎりの期間では、1回の結果を信じすぎない今回は、損益の端数や選ぶポジションの違いだけで、生き残るか資金が尽きるかが分かれました。残高の最低が資金の1〜2割まで下がる期間があるなら、その設定は小さな違いで崩れると考えておきます。
まとめ
「半分だけ先に利確、残りは伸ばす」形は、0.02ロット・資金20万円ならPFが0.917から1.014に上がり、今回試した中では一番良い結果でした。ただ、資金10万円・0.01ロットではロットを半分にできず、2本に1本だけ早めに利確する代わりの方法は、今までの成績に届きませんでした。
ロットを分ける工夫は、資金の大きさとセットで考える必要があります。利確の幅そのものを変えたときの結果は損切りと利確を1:1にしたら、利確は6倍に増えたのに資金が尽きたにまとめています。
※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。数値は筆者が開発中のEAのバックテスト結果で、実際の取引の成果を保証するものではありません。FX・CFD取引には元本を失うリスクがあります。過去の成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。